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photographers' gallery press no. 10
- 作者: ジョルジュ・ディディ=ユベルマン,橋本一径,豊島重之,倉石信乃,小原真史,平倉圭,前川修,土屋誠一,江澤健一郎,中谷礼仁
- 出版社/メーカー: photographers' gallery
- 発売日: 2011/06/20
- メディア: 単行本
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出版社の「鍬谷書店」とは?
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ミニュイ社のホームページで告知の出ているディディ=ユベルマンの新刊(10月刊)は、現在はカールスルーエで開催中の『アトラス』展のカタログのフランス語版です。以前『型どり』展のカタログが、ミニュイから再刊されたのと同じ要領です。現在2巻まで出ている「歴史の眼」シリーズの第3巻という位置づけです。図版等はおそらく白黒になり、数も少なくなるはずなので、カタログとあわせて手に入れておくのが理想か。2月末にマドリードで見たときには、英語版はすでに売り切れだったので、スペイン語版のみ購入してきました。
http://leseditionsdeminuit.fr/f/index.php?sp=liv&livre_id=2691
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ジュンク堂京都BAL店にて、「ゴダールと指紋フェア」と題したブックフェアを開催中です。『指紋論』や、私の最近の興味に関連する書物を66冊選びました。選書のリストにコメントをつけたブックレットも配布しております。ぜひ覗いてみてください。
ところで最近は「国籍」について少しずついろいろと調査をしているのですが、その関連で知った『国際結婚第一号』(講談社選書メチエ)の著者の小山騰さんが、最近になって『日本の刺青と英国王室』(藤原書店)という本を出しているのを知りました。
『指紋論』にも登場する法医学者アレクサンドル・ラカサーニュは、犯罪者の刺青についても研究していましたが、刺青というテーマは、皮膚や表面性などの観点から身体論的に興味を持っていました。しかし英国王室の人々が明治期の日本でこぞって刺青を入れてもらっていたなどという事実は知らなかったので、この点だけでも非常に興味深い書物です。今回のフェアの選書にも加えるべき著作でした。
- 作者: 小山騰
- 出版社/メーカー: 藤原書店
- 発売日: 2010/12/22
- メディア: 単行本
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『Photographers' gallery press』の最新号(no. 10)が予約を開始しました! 6月20日までの申し込みなら送料無料!
http://pg-web.net/home/information/press10/index.html
特集はジョルジュ・ディディ=ユベルマンです。ディディ=ユベルマンの著作は、『アウラ・ヒステリカ』に始まり、大著のヴァールブルク論『残存するイメージ』、アウシュヴィッツの写真論『イメージ、それでもなお』など、すでに多くが邦訳されていますが、彼の仕事の主軸とも言える「美術史の脱構築」にかかわる著作が、これまであまり邦訳されてこなかったこともあって(その一つの『イメージの前で』は、近く法政大学出版局より刊行が予定されています)、その全体像を見通すのが難しいままでした。今回の特集は、そうした全体像を提供することを目指した、いわばディディ=ユベルマン入門です。とりわけインタヴューでは、博士論文以来の彼のキャリアを振り返ってもらうことで、他では聞けないような話をしてもらうことができたと思っています。
翻訳も2本掲載しました。1つは比較的最近の著作である『蛍の残存』(2009)の中から、第2章を抜粋して翻訳したものです。「蛍」をめぐって繰り広げられる美しいエッセイで、独立した論考としても読める部分です。
もう1つは、2004年に書かれた論文「イメージは燃える」で、これは2006年にフランスで刊行された、ディディ=ユベルマンをめぐっての論考集『イメージで思考する』の巻頭に収められています。原書でおよそ40ページにおよぶ本格的なイメージ論・写真論であり、現在のところディディ=ユベルマンの単著には再録されておらず、もともとの論考集も入手困難であるため、貴重な1本だとも言えます。
拙稿は、マドリードで開催され、現在ドイツに巡回中の、ディディ=ユベルマンの監修による展覧会〈アトラス〉展の、短い紹介文です。
目次をご覧いただけばお分かりになるように、ディディ=ユベルマン特集以外にも、興味深い論考が多く掲載されています。これらは僕もまだ見ることができていないので、刊行を心待ちにしています。