フランスの高速道路などで速度違反を取り締まったりしている、警察官然とした人々が、実は警察官ではなく、「憲兵Gendarme」と呼ばれる人々であることを知ったときは驚いた。「Gens d'armes(軍の人々)」という語源からも明らかなように、警察が内務省の管轄であるのに対し、憲兵隊(Gendarmerie)は国防省に属する。道路交通のほかにも、人口2万人以下の町や村での警察業務を一手に引き受けているのは、憲兵隊のほうである。つまりフランスの田舎には厳密な意味での「警察官」はいないのである。駅や空港でライフルを持って見回っているのもこちらの人たちだ(機動憲兵隊gendarmerie mobile)。しかし日本の機動隊にあたるCRS(Compagnies Républicaines de Sécurité)を管轄するのは警察である。


パリ郊外のムラン(Melun)にある憲兵隊学校内には、憲兵隊博物館が併設されているようだ。
http://www.servicehistorique.sga.defense.gouv.fr/02fonds-collections/symbolique/gendarmerie/musees/musee/visite.htm


いろいろな意味で近寄りがたいところのようだが、機会があれば一度行ってみたい。


憲兵隊の歴史と遺産協会」(SOCIETE NATIONALE DE L’HISTOIRE ET DU PATRIMOINE DE LA GENDARMERIE)なるものもあって、来る11月9日に大会が催されるようである。
http://www.forcepublique.org/04manifestations/3emecongres/program.htm