kazumichi_h2007-04-03


ディディ=ユベルマンの新刊L'image ouverteの中には、ルジャンドルがDieu au miroirで表紙に用いたのと同じ図版が引かれている(14世紀の聖務日課書の詩編集に収められた細密画「キリストの傷跡」、ニューヨーク・メトロポリタン美術館蔵)。


だからというわけでもないが、ディディ=ユベルマンが例えば以下のような箇所でフロイトを意識しながら用いる「人類学」という語は、ルジャンドルの「ドグマ人類学」における人類学とほとんど同じ意味である。

「このように入り組んだモチーフのすべてを理解するには、イメージの人類学的側面を取り入れる必要がある、それもオブジェとしてのイメージと主体の作用としてのイメージを切り離さないでおけるメタサイコロジー的な観点から」(G. Didi-Huberman, L'image ouverte, Paris, Gallimard, 2007, p. 34)。