昨日紹介したオルセーの展覧会の関連イベントで、「オルラックの手 Orlacs Hände」の上映会が予定されている(9月21日)。
http://www.musee-orsay.fr/fr/manifestations/cinema/presentation-generale/article/la-main-8485.html


ロベルト・ヴィーネ監督の1925年の作品である。邦題は『芸術と手術』で、ゴダールが『映画史』(2B)で引用している(画像は『映画史』より)。
事故で手を失ったピアニストが、手の移植手術を受けるが、その手は死刑になった殺人犯の手であったため、ピアニストは殺人鬼に変貌するという物語。原作はフランスの作家モーリス・ルナール(Maurice Renard)の、”Les mains d'Orlac”。


あまりにも見たいのでいろいろと検索したところ、以下のサイトでVHSを販売していたので、さっそく注文。はたしてちゃんと届くのだろうか。
http://www.moviesunlimited.com/musite/product.asp?sku=105377++


ルナールのこの作品はその後も何度か映画化されている。カール・フロイントは1935年に『Mad Love』のタイトルで映画化。

Mad Love [VHS]

Mad Love [VHS]

これも思わず注文。


さらに1960年には、エドモン・T・グレヴィルが、”The Hand of Orlac”として映画化。

Hands of Orlac [VHS] [Import]

Hands of Orlac [VHS] [Import]

これはアメリカのアマゾンで安かったので注文。


ついでにモーリス・ルナールの原作も注文。
http://www.amazon.fr/Romans-contes-fantastiques-Maurice-Renard/dp/2221057589/ref=sr_1_12/
(このアマゾンに載ってるものとは別の、1970年の文庫版を注文。)


なおゴダールの映画史では、『芸術と手術』は、「ムルナウカール・フロイントは、ニュルンベルクの照明を…云々」というゴダールの台詞の直後に出てくるのだが(カール・フロイントムルナウの撮影技師だった)、これはのちにフロイントも『オルロックの手』を映画化したことを踏まえているのだろうか。


それにしても、最初のヴィーネによる1925年版のビデオを販売していたアメリカのサイトは、関連商品として『Waxworks (Das Wachsfigurenkabinett)』を提示してくるあたり、なかなかすごい。
『裏町の怪老窟』という邦題の、パウル・レニ監督による、1924年の蝋人形館モノ。
これも欲しくなったがひとまずこらえる。
アメリカで最近DVD化されたようである。
http://www.amazon.com/Waxworks-Silent-Emil-Jannings/dp/B00006JMQI/ref=sr_1_2/

Waxworks [VHS]

Waxworks [VHS]


そういえば江戸川乱歩に、事故で切断されたピアニストの手がホルマリン漬けの瓶の中でピアノを奏でるように動く、という短編(「指」)があったが、ひょっとするとこのルナールの小説がネタ元なのだろうか。ルナールの原作は翻訳が出たことはないようだが。