kazumichi_h2007-06-07

その昔フランスでは出生証明の手続きは赤ん坊を実際に市役所に運ぶことでなされていた。この慣行に反対したのは、生まれたばかりの赤ん坊を寒さに触れさせることの危険性を説いた医師たちである。しかし19世紀フランスの寒さというのは、実際のところいかばかりのものだったのだろうか。


1879年の寒波というのがとりわけ特記される。この年の12月9日、パリのサンモール公園ではマイナス28度を記録。セーヌは凍りつき、大型の荷馬車も氷上を渡ることができたという。


図版は『La nature』1880年より。Gaston Tissandier, "Les grands froids a propos d'hiver 1879-1880", La Nature, 1880, p. 57.