戸籍史

パリの戸籍(Etat civil)がネットで見られるようになっていた。 http://canadp-archivesenligne.paris.fr/ 残念ながら1860年以前のものは(1871年のコミューンで焼けたため) 復元されたものだけなのだが、そのなかに1853年のベルティヨンの 出生に関するも…

生まれたばかりの赤ん坊を外に連れ出すことの危険を説いたロワール医師らの尽力が実り、パリにおいては、1869年から、出生の確認は原則として医師が自宅で行うことになる。それまでは基本的に赤ん坊を区役所に連れて行って出生届を出すことになっていたが、…

市役所に子供を実際に連れて行くというフランスの出生届の規定を改めさせるのに貢献したのは、19世紀の医師Joseph-Napoleon Loirなのだが、彼の生没年がわからない。 ガリカにも彼の著作が一冊収録されているのだが、カタログに伝記情報は書かれていない。 h…

フランスにおける近代の世俗的な戸籍の誕生を決定づけた1792年9月20日の法令(デクレ)が、フランスのWikisourceというのに全文掲載されているのを見つける。 http://fr.wikisource.org/wiki/D%C3%A9cret_du_20_septembre_1792_qui_d%C3%A9termine_le_mode_…

その昔フランスでは出生証明の手続きは赤ん坊を実際に市役所に運ぶことでなされていた。この慣行に反対したのは、生まれたばかりの赤ん坊を寒さに触れさせることの危険性を説いた医師たちである。しかし19世紀フランスの寒さというのは、実際のところいか…