大寒波

川路利良が主人公ということで司馬遼太郎の『翔ぶが如く』を読みはじめたところ、パリを訪問した川路ら一行の模様をつづった一巻の最初に、「宿の主婦のいうところでは今朝セーヌ河が凍った、フランス中がことごとくさむいのであって当家としては決して燃料…

1879年12月のパリの寒波の記述を、フランス国立図書館デジタルアーカイヴ(Gallica)に収録の日刊紙で調べる。 "Le Temps" http://gallica.bnf.fr/ark:/12148/cb34431794k/date "Le Figaro" http://gallica.bnf.fr/ark:/12148/cb34355551z/date フィガロのほう…

その昔フランスでは出生証明の手続きは赤ん坊を実際に市役所に運ぶことでなされていた。この慣行に反対したのは、生まれたばかりの赤ん坊を寒さに触れさせることの危険性を説いた医師たちである。しかし19世紀フランスの寒さというのは、実際のところいか…