ロックが『人間知性論』で取り上げる「モリヌークス(モリヌー)問題」とは、盲目の人間が、触覚によって立方体と球を認識できたとして、その人間の目が見えるようになったとき、はたして彼はその立方体と球を触る前に視覚によって認識できるだろうか、というようなものであった。


こちらに詳しい解説がありました。
http://www.furugosho.com/precurseurs/locke/molyneux.htm


それとはほとんど、というかまったく関係ないが、フィクション作品で、目の見えない人間が、目が見えるようになったときの場面の描写というのがちょっと気になっている。


例えばこんなの。
90年代の野島ドラマ『この世の果て』第12話。
手術を終えた主人公の妹の目を、医師が診察している。「ゆっくり目を開いて」という医師の言葉とともに、画面は妹の主観ショットに切りかわり、ぼやけた画面がだんだんと焦点を結んで、浮かび上がった人物の姿を見た妹が、「お姉ちゃん!」
こちらの動画の3分50秒前後です。
http://jp.youtube.com/watch?v=ToZOS99HYV8&feature=related



あるいは日本でもおそらく公開予定のハリウッド映画『The Eye』でも、そういう場面が予告編にも出てくる。


なおこの作品は、角膜移植を受けた主人公が、角膜提供者と関係する幽霊を見るようになってしまうという話で、香港のオキサイド・パンとダニー・パンによる2002年の同名の作品のリメイク。

the EYE (アイ) デラックス版 [DVD]

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