浅野和三郎の1928年の「欧米心霊行脚」について。
彼の手記は昭和一ケタ時代の世界一周旅行記としても
なかなか面白い。
特にシベリア鉄道の様子などはなかなか興味深い。
しかし最後の方でニューヨークの黒人運転手やポーターに
対するひどい蔑視発言があって幻滅。

欧米心霊行脚録

パリの「神霊本部『メゾン・デスプリイ』の「リペエル氏」というのは、
当時Maison des spiritesのsecrétaire généralだったというAndré Ripertの
ことであるようだ。

画像は以下のサイトより。
http://www.spiritisme.net/


氏から大本教についての質問を受けて驚いた浅野は、出口王仁三郎
悪口をひとしきり述べてから、心霊主義神道との関係について長々と
語って聞かせている。


英国からニューヨークに渡るのに利用した船はベレンガリア号。

第一次大戦の賠償としてドイツから連合国に移譲された船らしい。
(旧)紺碧の海:(船舶の絵葉書:37) ベレンガリア
11月10日に英国を出て、一日遅れで17日に到着している。


神戸港から大連に行くのに利用したのはバイカル丸だが、この船は第二次大戦中
病院船として利用された後、昭和20年5月に大分沖で触雷して座礁
しかし戦後引き揚げられ捕鯨船として再利用された後、さらに冷凍工船「極星丸」
に改造されて1967年まで活躍したという。
http://homepage2.nifty.com/i-museum/19450514baikaru/baikaru.htm

http://aikoqipao.blog47.fc2.com/blog-entry-268.html


いやはや船に歴史ありである。


以下を古本で購入。

神の罠―浅野和三郎、近代知性の悲劇

神の罠―浅野和三郎、近代知性の悲劇

こんな本も最近出ていた。
[asin:4062146754:detail]


話はそれるが1912年にパリに渡った与謝野晶子シベリア鉄道
利用していたということを知り、ちょっと意外に思った。
先日新潟市美術館で見た『浦潮と呼ばれた町』展で、与謝野晶子
パスポートが展示されていて、そこで知った。

鉄幹と晶子の『巴里より』は、現在手に入るのは以下のものだけだろうか。
[asin:4585010637:detail]