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特集はジョルジュ・ディディ=ユベルマンです。ディディ=ユベルマンの著作は、『アウラ・ヒステリカ』に始まり、大著のヴァールブルク論『残存するイメージ』、アウシュヴィッツの写真論『イメージ、それでもなお』など、すでに多くが邦訳されていますが、彼の仕事の主軸とも言える「美術史の脱構築」にかかわる著作が、これまであまり邦訳されてこなかったこともあって(その一つの『イメージの前で』は、近く法政大学出版局より刊行が予定されています)、その全体像を見通すのが難しいままでした。今回の特集は、そうした全体像を提供することを目指した、いわばディディ=ユベルマン入門です。とりわけインタヴューでは、博士論文以来の彼のキャリアを振り返ってもらうことで、他では聞けないような話をしてもらうことができたと思っています。


翻訳も2本掲載しました。1つは比較的最近の著作である『蛍の残存』(2009)の中から、第2章を抜粋して翻訳したものです。「蛍」をめぐって繰り広げられる美しいエッセイで、独立した論考としても読める部分です。


もう1つは、2004年に書かれた論文「イメージは燃える」で、これは2006年にフランスで刊行された、ディディ=ユベルマンをめぐっての論考集『イメージで思考する』の巻頭に収められています。原書でおよそ40ページにおよぶ本格的なイメージ論・写真論であり、現在のところディディ=ユベルマンの単著には再録されておらず、もともとの論考集も入手困難であるため、貴重な1本だとも言えます。


拙稿は、マドリードで開催され、現在ドイツに巡回中の、ディディ=ユベルマンの監修による展覧会〈アトラス〉展の、短い紹介文です。


目次をご覧いただけばお分かりになるように、ディディ=ユベルマン特集以外にも、興味深い論考が多く掲載されています。これらは僕もまだ見ることができていないので、刊行を心待ちにしています。