生まれたばかりの赤ん坊を外に連れ出すことの危険を説いたロワール医師らの尽力が実り、パリにおいては、1869年から、出生の確認は原則として医師が自宅で行うことになる。それまでは基本的に赤ん坊を区役所に連れて行って出生届を出すことになっていたが、必ずしも徹底はされていなかったようである。アルフォンス・ベルティヨンは1853年4月24日の生まれだが、シュザンヌ・ベルティヨンの伝記によると、出生届は父がひとりで区役所に出しに行っている(母は「アルフレッド」という名を望んでいたのに、区役所までの道中で父がそれを忘れ、間違えて「アルフォンス」として届けてしまったらしい)。
子供が区役所に運ばれる場面の描写を、どこかで見つけたいのだが…。