André GunthertとMichel Poivertの編による新しい写真史本の書評が、『ルモンド』に出ているが、えらい酷評である。
http://www.lemonde.fr/web/article/0,1-0@2-3260,36-975903,0.html


単数ではない複数の写真史を謳いながら、10人の論者がそれぞれ別のところでもしている議論を繰り返しているだけで、挙げられるべき名の大半は無視され、あらかじめ写真史を知っていなければ読めないような写真史本である、と。


しかしタイトルがそもそも『写真技術(L’Art de la photographie)』であるように、体系的な歴史を語ろうとした本ではないわけだし、少し的外れなところもある批判であるような気がしなくもない。科学写真論や雑誌グラビア論、そしてクレマン・シェルーによるアマチュア写真論など、個人的には興味を惹かれる記事も多い。


「寒気のする」値段−−199ユーロ−−であるという点だけは同感だが。編者らによる再反論が近々掲載されることだろう。本の内容の紹介は以下にあり。
http://www.sfp.asso.fr/vitevu/index.php/2007/09/12/180-un-nouveau-recit-de-la-photographie


André Gunthert et Michel Poivert(sous la direction de), L'ART DE LA PHOTOGRAPHIE, DES ORIGINES À NOS JOURS , Citadelles & Mazenod, 2007.
http://www.amazon.fr/dp/2850884405/