金英達『日本の指紋制度』社会評論社、1987年。


こんな重要な本を今まで見逃していたとは。
愛知県の県民指紋登録制度というのに驚く。
1955年から1970年まで、県内の中学三年生全員の十指指紋を採取し、県民人口の約半数に当たる248万人分の指紋を収集していたという。

なお筆者の個人的体験であるが、一九六四年、愛知県春日井市の中学三年生であったおり、学校の講堂で出張してきた警察職員にクラス全員と一緒に指紋を採取された。初めての経験であり、皆好奇心いっぱいで、ワイワイガヤガヤおしゃべりしながら、楽しく指紋登録したことを覚えている。(92頁)

69年から、指紋採取反対の市民運動が起こったことなどにより、70年を最後に廃止。
当時の市民運動の記録を集めたホームページを見つける。

「中学生の指紋採取に反対する運動の記録」
http://mitsuhiroiwata.hp.infoseek.co.jp/simon/


それにしても、さすが愛知県である。。。
自治体規模の試みとしてはおそらく世界にもあまり例を見ないのではないか。